2017年に盛大な70周年祝祭を終えた Prancing Horse(跳ね馬)は、2018年初頭から気持ちを新たに、目の前に立ちはだかる課題に取り組みました。
恒例のジュネーブ国際モーターショーでは、2016年と2017年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーに選 出された V8ターボの最強バージョンを搭載した Ferrari 488 Pista が発表されました。この新型車輌は、レース・フィールドで培った技術を史上最高レベルで注ぎ込んだロードカーです。 実際に、レース仕様の 488 GTE は、FIA世界耐久選手権(WEC)において、2016年から2年連続で GT部門のコンストラクターズタイトルを獲得しました。フォーミュラ1では昨年、セバスチャンベッテルがシーズン開幕2連勝を飾り、幸先の良いスタートを切りました。そして、ルイス・ハミルトンと白熱したバトルを繰り広げ、夏前までに世界選手権ランキングで首位の座につきました。しかし、この時期、弊社は予期しなかった会長兼CEOのセルジオ・マルキオンネの早過ぎる死に、打ちひしがれていました。 マルキオンネが残した多大なる遺産は、新会長のジョン・エルカーンおよびルイス・カミレーリ新CEOに受け継がれました。両者は、マルキオンネが懸命に取り組んだ新しいビジネスプランを発表するという重要な任務を引き継ぎをました。新会長と新CEOは、そのプランを発表する場として公式に公開した新施設、「スタイルセンター」に株主を招待して、短期的なビジョンを発表しました。向こう 3年間で 15 の新モデルを開発し、未来を見据えた研究開発への多額投資、そして気候変動問題に対処するために生産する車輌の 60%をハイブリッドにすることを目標に掲げました。 未来に向けての目標を固めるということは、これまで築いてきた豊富な創造性とソリューションを手放すということではありません。むしろ、これらを再解釈することで、新たな潮流と類い稀な技術的視点の創出につなげることです。その取り組みは、キャピタルマーケット・デイにて発表された Icona(イーコナ)プロジェクト最初の2つのプロダクト、Monza SP1とMonza SP2 に表れています。このシングルシーターと 2シーター・モデルは、どちらも 812 Superfast に搭載されたフェラーリ史上最もパワフルな自然吸気 V12エンジンを搭載しています。この 2つのモデルは、Prancing Horse(跳ね馬)史上最もエキサイティングなモデルから基本テーマを導き出すというコンセプトのもと、フェラーリのクライアントとコレクターを念頭に置いて開発した限定版スペシャルシリーズ・モデルの全く新しいセグメントの車です。 スクーデリアフェラーリのワークス・ドライバーだけでなく、時には彼らのような伝説的なプロフェッショナルドライバーとレースを戦い、勝利したジェントルマン・ドライバー達もステアリングを握った1950年代のバルケッタにインスパイアされたモデルです。
ニューモデルは、米国・ペブルビーチ・コンクール・デレガンスで世界初公開されたFerrari 488 Pista Spider とともに、パリ国際モーターショーでオフィシャル・デビューしました。 Ferrari 488 Pista Spider は、未だかつてないパワーウェイトレシオ 1.92 kg/cv を誇るフェラーリ史上最もパワフルで高性能なプロダクション・スパイダーです。その驚くべきパフォーマンスの核となるのが、2018年に3年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーに輝いたパワーユニットです。最高出力 720CV を発生させる 3,902 cc ツインターボ V8エンジンは、過去20年に同賞を受賞したエンジンを対象とした特別賞、「ベスト・オブ・ベスト」も受賞しました。
フォーミュラ1のシーズン後半、スクーデリアは序盤の好調を維持することができず、惜しくも数ポイント差で、ライバルにダブル・タイトルを譲る結果に終わりました。そのような状況の中での明るい話題は、このシーズンを最後に、フェラーリを離れることを発表したキミ・ライコネンがオースティンで開催されたアメリカGPで優勝を飾ったことです。