歴史を通じてアイコンに変わる車輛もあれば、初めからアイコンとして誕生する車輛もあり、LaFerrari Apertaはその後者に当たります。このモデルは、マラネッロが70周年を記念して開発したもので、それが他と一線を画す理由となっています。LaFerrari Apertaはロードスターの本質を追究した2シーターとして、オープンカーの極致を技術的に表現しています。LaFerrariという流れを汲んで誕生したLaFerrari Apertaは、特別限定シリーズとして、自動車テクノロジーの限界を再定義しています。
LaFerrari Apertaの開発において、エンジニア陣は大きな課題に直面しました。このモデルは、ルーフがない状態でLaFerrariと同じ性能を発揮できなくてはならなかったためです。またLaFerrari Apertaは、クーペと同レベルのハンドリング性能と並外れたパフォーマンスを実現できる必要もありました。ちなみに、クーペモデルの0-100 km/h加速は3秒を下回り、最高速度は350 km/hを超えていました。さらに、300 km/hの速度でも風の流れに妨げられることなく快適にドライブできなくてはなりませんでした。 そこで、パリモーターショーのデビューを前にした数ヶ月は、LaFerrariの象徴的なデザインを損なうことなく車輛のあらゆるダイナミクスと負荷に関する目標を達成するために、シャシーと空力部門の責任者たちはスタイリングセンターと協力しながら心血を注ぎました。 シャシーには、彼らの作業がどんなものだったのかが如実に現れています。ルーフがないということは、車体の下部にかかる負荷をどう配分するかが問題になってきます。そこで、LaFerrariのねじれ剛性と曲げ剛性を確保するために、ごくわずかに重量を増やして対応しました。 誇り高いフェラーリのすべてのロードスターと同じく、コックピットの乱流も最小限に抑えられています。これを実現できたのは、コンパートメントに入る前に高速フローを「捕捉」する統合システムを開発したおかげです。そのため、150 km/hまで乗員が風切り音を感じることはありません。フェラーリ初のハイブリッドパワーユニットによる圧倒的なサウンドとオープンエアドライビング。そのエキサイティングな独自性に浸りたいという願望を誰でも持ってしまうに違いありません。
最高出力800 hpのV12エンジン、120 kWを発生するエレクトリカルモーター、総合出力963 hpを誇り、誰も抗うことのできない抜群の性能を発揮するLaFerrari Apertaは、まさにアイコンに値する存在です。