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正確に、たくましく、美しく

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正確に、たくましく、美しく

新しい12Cilindriでは、ブランドの最も歴史深いエンジンに敬意を表するのみならず、最高の動作制御でこれまでにないパフォーマンスをもたらすために、数多くの技術イノベーションが展開されています

文:クリス・リース / 写真:ステファン・バウアー / 動画:オリバー・マッキンタイヤー

大陸を横断する壮大なドライブの後に、ルクセンブルクにかかるアドルフ橋を渡ると、長い旅が始まったときとまったく同じような、落ち着いた気分になります。ヨーロッパ広場に到着すると、コンサートホールの未来感漂うデザインの窓には車体が映り、跳ね馬の12気筒エンジンによる音のシンフォニーが辺りに響き渡ります。このときあなたは、新しい Ferrari 12Cilindri が表現する幾何学的な正確さ、たくましさ、美しさが気になるのみならず、この車を運転すればどのような気分になるだろうかと、思いを巡らせることでしょう。この車の純粋な力強さの表現は、他に類を見ないものです。




上:12Cilindriは、過去の伝説的なフェラーリGTカーの現代的な最先端の後継車です




フェラーリは、新モデルを12Cilindriと名付けることで、1947年の会社設立以来続く輝かしいV12シリーズにふさわしい敬意を表しています。もちろん、鼓動するその心臓部にあるのは、アイコニックな V12 自然吸気エンジン。今では感動を覚えるような新たな高みへと進化しました。「コファンゴ」と呼ばれるクラムシェルボンネットの下にあるV12には、独自の可変吸気トランペット、カムシャフト、エキゾーストマニホールド、エンジン制御ソフトウェアなど、新しく開発されたテクノロジーが満載されています。エンジンが示す数字は、その高い目標を暗示しています。出力は、812 Superfastよりも約30cv向上して830cvになり、エンジンのピーク回転数は1,000rpm上昇し、9,500rpmに達しています。

フェラーリのV12エンジンは、いつまでも続くような加速感で長年高い評価を得てきましたが、12Cilindriほどその感覚が味わえる車はありません。トルクは、低回転数域からシームレスに伝わります。わずか2,500 rpmでも最大トルクの80%が発揮され、アスピレーテッド・トルク・シェーピングと呼ばれる革新的な新システムにより、3速と4速でのトルク曲線は惚れ惚れするようなたくましさを示します。その結果、9,500 rpmのレッドラインまで、一貫して強力かつスムーズな加速の流れが実現しています。




左から:12Cilindriは、魅力的で未来的なデザインに加えて、高速コーナリング時など、必要なときに正確にダウンフォースを高めるアクティブ・リヤ・エアロダイナミックフラップ(右端)など、最新のテクノロジーが満載されています




もう一つの進歩は、フェラーリのV12搭載のツーシーターとして、初めて8速デュアルクラッチトランスミッションが採用されたことです。812 Superfastと比較すると、低速ギアの比率が短くなり、シフト時間が短縮され、加速感が非常に鋭くなります。一方、8速の比率は長いため、12Cilindriは理想的なツーリングパートナーになります。それはまさに、「大陸の走破者」とも言うべきマシンです。


走りにおいて新たなレベルの機敏さを実現するために、シャシーには、812 Superfastとは異なる2つの変更が加えられました。その変更とは、四輪独立操舵の採用と、ホイールベースの短縮です(20 mm短縮)。これらが組み合わさることで、非常に正確な感覚が生まれます。低速時には後輪が前輪と逆方向を向くため、操縦性が向上します。 高速走行時には、各後輪が独立して前輪と同じ方向に向くため、より速く、より正確にコーナリングできるようになります。


最新の制御システムは、このようなコーナリングの感覚を高め、ドライバーを邪魔することもありません。例えば、6D 6ウェイシャシーセンサーは、グリップレベルの変化を非常に短時間で認識し、電子ステアリングやトラクションコントロールなどのコントローラーに情報を送信します。サイドスリップコントロール(SSC)8.0は、システムを調整して全体的なパフォーマンスを最大限に高めます。




上:短いホイールベースと4輪独立ステアリングのおかげで、12Cilindriは機敏な運転のマスタークラスです




革新的なアクティブ・リヤ・エアロダイナミックフラップは、一定の速度で自動的に作動。また、横方向および縦方向の加速度センサーの指示に応じて作動し、高速コーナリング時など、必要なときに正確にダウンフォースを高めます。


V12エンジンをミッドフロントに搭載するこのベルリネッタのもう一つの新機能は、ABS Evo。このおかげで、ブレーキはこれまで以上に強力になっています。これにより、制動距離が短縮され、ハードなブレーキングも確実に繰り返し行えるだけでなく、ペダルの圧力レベルを非常に正確に調整することが可能になります。


印象的なスタイルの21インチホイールは、812 Superfastのホイールより1インチ大きく、ミシュランおよびグッドイヤーの新しい専用タイヤが装着されています。運転してみると、グリップレベルやバランス、安定性の向上、乗り心地の良さ、ロードノイズが抑えられていることをすぐに実感できるでしょう。




上:高性能ツーシーター、高級グランドツアラー、クラシックなフェラーリ・ベルリネッタ - 12Cilindriはあらゆる役割で優れています




快適性について言えば、12Cilindriの特徴的なデュアルコックピット設計により、助手席でも極めて快適でしっくりした感覚を味わうことができます。車両中央には、フェラーリで初めて3つ目のスクリーンを設置。また、これまでと同様に、自分好みに合わせて車を構成することができます。 例えば、長距離のクルージングに最適な、通気性のあるマッサージシートや、スポーティな雰囲気を演出するレーシングシートを選ぶことができます。荷物を積み込むトランクの容量も、注目のポイントです。これらすべてにより、12Cilindri は、ハイパフォーマンスのツーシーター、長距離を快適に走れるラグジュアリーなグランドツアラー、 そしてエレガントさとドラマチックさを醸し出すベルリネッタ という複数の役割を演じる、他では見られない優れたマシンになっています。


これは、1950年代および60年代の伝説的なフェラーリGTカーの後継となる、現代的な最先端の車であり、グランドツーリングの豪華さとレース由来の速さを兼ね備える車なのです。心臓部には、気持ちを高揚させる12気筒エンジンが搭載されています。地平線があなたを待っています。さあ、そこへ向けて、12Cilindriを走らせましょう。

このストーリーは、オフィシャル・フェラーリ・マガジン第64号に掲載されています


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