フェラーリは長年にわたり、取り外し可能なルーフパネル(1972年のDino 246 GTSで初めて採用)、自動作動式ソフトトップ(1995年のF355 Spiderで初めて採用)などの絶えず複雑化する折りたたみ式ルーフ機構の新たな試みを次々に成功させてきました。2008年のFerrari Californiaは、完全に格納可能な折りたたみ式メタルルーフを備えた最初の跳ね馬でした。それ以来、さらなる革新が遂げられ、最新の12Cilindriではハードトップを完全に格納するのに15秒しかかかりません。
いったん1940年代後半に時代を戻すと、最初の「本格的な」フェラーリスパイダーは、同社の最初のGTカーである166 Interのコンバーチブルバージョンでした。ルーフのない166 MMバルケッタなどの166スポーツレーシングモデルをベースにした公道走行可能な166 Interは、1948年から1950年にかけて製造され、ほとんどがクーペのボディタイプでした。一方で、1948年にコーチメーカーのスタビリメンティ・ファリーナ社によって製造された166 Interカブリオレは、格納式ファブリックルーフを備えた最初のフェラーリでした。この美しいコンバーチブルの跳ね馬はたった 3 台しか製造されておらず、非常に希少なモデルとなっています。
究極のエレガンスと純粋な洗練を求めるなら、その21年後の1969年型Ferrari 365 GTSです。トリノのピニンファリーナ工場で製作されたボディを備えた365 GTSは、時代を超越した美しさだけでなく力強いV12エンジンとトルクフルなパフォーマンスでも注目に値し、最高速度は245 km/hに達しました。キャビン内から手で下ろすことができるシンプルな折りたたみ式ルーフには、クリップ式の保護カバーが付いており、シートの後部に下ろして折りたたんだときにフードを巧みに隠します。365 GTSの生産は1969年半ばに終了し、わずか20台が製造されました。