「本では飽き足らない」。これは今から約700年前、ルネッサンス期におけるイタリアの学者、フランチェスコ・ペトラルカが語った言葉です。この「飽き足りない」という表現からは、自身の知識を「養う」必要性があると感じていたこと、そして「知りたい」という抑えきれない欲望を抱いていたことが計り知れます。
学校教育を誰もが受けられるようにする必要があるという考えが広まるには何世紀もかかりました。現在においても、特に発展途上国では、これを実現するうえでの課題が山積しています。とは言うものの、私たちは、客観的な知識にアクセスすることで十分に納得したり、自分の知識の現状に満足したりすることがあります。
これらの画像では、グローバル MBA と Scuola dei Mestieri に参加したフェラーリの社員を特集しています。 左から:マッテオ・アンジェルッチ、エマヌエル・エラスモ・ティネルヴィア、レオニルデ・イアンヌッツィ、フィリッポ・ペトルッチ、ロッコ・ピチェルノ、ダニーロ・ディ・ボニート、ブルーノ・ペトリーニ、タティアナ・セローニャ、マヌエル・ジャキント、ジュリオ・カミレッティ、ジョナサン・スコラーロ、アンジェロ・フマロラ、ミケーレ・オルランディン、アナリサ・ヴェシア、オリンピア・フェラーラ、フランチェスコ・ディ・マッテオ、ラヴィニア・ネグロマンティ、ドメニコ・チカレッリ、クリスティアン・インペリアーレ、ギヨーム・シゴー・ド・ブレスク、アレッシオ・フマート、ジュゼッペ・デル・ガウディオ
フェラーリでは、「納得感を得る」ことだけに目を向けているわけではないため、状況は異なります。戦後間もない頃、エンツォ・フェラーリはマラネッロの工場を設立する前から夜間専門学校の設立に着手し、1963年にディノ・フェラーリの名を冠した学校を設立しました。
こうした姿勢は今も変わっていません。フェラーリはイタリアで一連の教育イニシアチブを推進してきており、2016年に地震が発生した際は、その後、アマトリーチェの学校再建に尽力し、海外においてはセーブ・ザ・チルドレンとコラボレーションしています。
現在もこうした活動はいちだんと活発化しています。パンデミックの最中、地域の学校にIT教材を寄贈したことや、 最も恵まれない子供たちに授業を提供する「アキペラゴ・エデュカティーボ(Arcipelago Educativo)」プロジェクトをアニェッリ財団およびセーブ・ザ・チルドレンと協力して推進していること、 そして、モデナのIstituto Fermo Corniにe.DO Learning Centerを数週間前に開設したことからだけでも、フェラーリの意気込みを感じることができます。e.DO Learning Centerでは、この地域の高校生と教師に、数学、科学、テクノロジーなどの分野で革新的な学習体験を提供する予定です。
左から:ドメニコ・フィカレッラ、アンナ・マツッコ、アンジェロ・バリストレーリ、バルトロ・ヴィオランテ、フェデリカ・ロトンダーロ、アルベルト・ヴィルジロ、フランチェスコ・ミリオーレ、ジョヴァンニ・ダゴスティーノ、ジョヴァンニ・ルフォロ、コジモ・デ・パオリ、パオロ・ベネミア、マルティナ・ロボロン、フランチェスコ・スピッツィカ、ロレンツォ・ナターリ、ニコラ・テルディヒ 、モニカ・ルチャーニ、ステファノ・ルパリア、カテリーナ・イアディチッコ、ビアジョ・ヴォルツィッロ、ジュゼッペ・シャッカ
しかし、この分野におけるフェラーリの活動は、外向きのものだけではありません。学習、特に「継続的な学習」は、CEOであるベネデット・ヴィーニャにとってのきわめて身近な概念です。彼は、「『To be』よりも『To become』の方が人生において重要であるというのが、私の原点となっている考えです」と話したうえで、次のように述べています。「個人の成長は、地域社会の成長につながります。この場合、地域社会は企業のことです。特にこうした不確実な時代の場合、学ぶというのは障害を取り除くこと、ドグマを克服すること、変化への対応能力を強化することに他なりません。
同様に、私は透明性を重視するとともに、自分たちの知識を共有できることを強く信じています。他人が自分の知識を自由に使えるというのは、自分の中にわずかなスペースを設けることを意味します。こうすることで、再び学習するための準備が整うのです。これは一つの連続したサイクルであると言えます」
彼は、さらに次のように加えています。「私たちの人生において最も重要なのは、疑問を抱くことだと言えるでしょう。答えが欲しいなら、そして学び続けたいならば、常に自問し続けることが必要です」。
また、ヴィーニャは、あらゆる立場の人たちとコミュニケーションすることが重要であるという考えも持ち合わせていることから、次のように話しています。「階層的な組織の場合、人の交流は垂直的であるため、限定的になります。上の立場の者は、直下の者としか話をしませんし、下の者も直属の上司としか話をしません。しかし、コミュニケーションがオープンで流動的になれば、交流の回数が増え、情報や知識の交換が行われるようになります。これはすべて付加価値です。どういうことだか分かるでしょうか?コミュニケーションを他の人の役立つものにすれば、その人たちも同じことをするため、自分自身の成長にもつながるのです」
左から: ヴァレリオ・リナルディーニ、レティツィア・ベレッティ、ヴィンチェンツォ・パルラート、アルベルト・ブッコラ、マウリツィオ・ガリアーノ、ヴァレリオ・シモニーニ、チェチリア・サッキ、ラファエレ・リゾロ、アレッシオ・ルビーノ、ラウラ・スガルバッツィーニ、マリネッラ・モンテッキ、フランチェスカ・ミンチグルッチ、ジュゼッピーナ・ブオナイウート、シモーネ・リス、フェデリコ・ラズロ、ルチア・チリエッロ 、 マリアンナ・ミリアッチョ
だからこそ、継続的な学習が重要になります。学ぶ姿勢ができている人は、成長して豊かさ引き寄せます。チームで仕事をすると、他の人を成長させられるだけでなく、会社を豊かにすることも可できます。そして、このように振る舞う人は、質問や批判を恐れません。自分たちの能力が疑われていないからです。むしろそれは、単に一つの状況に対し、異なる視点からアプローチしてみるということなのです。
ヴィーニャは、過去を踏まえて出来事を認識することが重要であると感じていて、次のように述べています。「私たちの仕事のやり方を変え、私たちを成長させるようなことが起きたならば、私たちはその日を覚えておかなければなりません。最初に紹介するのは、8月1日です。この日、私たちを悩ませたメカニカルな問題を、チームは見事に解決しました。この問題を解決することで、チームはいちだんと大きな経験を積んでいっそう強くなったとともに、より大きな自信を持つことができるようになったのです。あなたはつねに、誰からでも、そしてどこででも学ぶことができます。心は学ぶことに飽きないからです」
まさしく継続的な 学習です。