ベン・プルマン
冬のオフシーンが終わり、フェラーリのワンメイク・レース専用Challengeマシン、ヒストリックなF1マシン、そして実験車両であるXXシリーズのマシンが次々とサーキットに戻ってきました。
フェラーリのドライバーとそのマシンは、ここ数週間で世界各国のサーキットに再び姿を見せ、世界選手権や国内選手権でバトルを繰り広げています。フェラーリ独自のモータースポーツ・イベントも最近になって始まりました。数々のイベントが過密スケジュールで予定されている中、サーキットではフェラーリ・チャレンジ、クラブ・コンペティツィオーニGT、XXプログラム、F1クリエンティの2021年におけるオープニング・イベントが連日のように開催されます。
先陣を切って行われたのは米国でのイベントで、フェラーリ・ファンが自身のマシンでサーキット走行を愉しめるよう、健康および安全面の対策が十分に取られていました。2021年シーズンにおけるこのフェラーリ・チャレンジ・ノース・アメリカは、シーズンのオープニング・イベントとして、バージニア・インターナショナル・レースウェイ(VIR)で盛大に行われました。
40台のFerrari 488 Challenge Evoがこの難しいサーキットを走る様はとても印象的で、レースには2020年の注目すべき北米チャンピン全員が新たなシーズンを戦うために戻ってきました。3日間のイベントでは、クーパー・マクニール(フェラーリ・オブ・ウェストレイク)が週末のトロフェオ・ピレリで2勝を挙げたほか、トッド・コールマン(フェラーリ・オブ・デンバー)がそれぞれのコッパ・シェルで同じく支配的なレースを繰り広げました。
レースが行われる傍ら、12名のフェラーリ・ドライバーがクラブ・チャレンジ・プログラムでフォーカスされています。イベント開催中に過去と現在のChallengeマシンを数時間にわたって走らせた彼らは、バージニア・インターナショナル・レースウェイ(VIR)を走ることができたということと、競争のプレッシャーが無いフェラーリ・チャレンジの週末を愉しむことができた様子です。
2021年の開幕戦は、この有名なVIRで待望のチャレンジ・シリーズが再び開催されることになったという特別なレースでもあります。この場所でチャレンジ・シリーズが最後に開催されたのは2007年のことでした。さらに素晴らしいことに、フェラーリ・チャレンジとクラブ・コンペティツィオーニGTは、2021年の開幕戦が同時に行われ、それぞれのマシンが一緒にレースを行いました。クラブは、過去30年の中の最も優れたフェラーリ・レーシング・モデルを所有しているオーナーを招待し、卓越した指導やチーム・サポートの下、彼らに自身のマシンを走らせる機会を与え続けています。VIRを走った数々のマシンの中には、458 GT3も含まれています。
わずか数日後、大西洋を挟んだ反対のイタリアでは、XXプログラムとF1クリエンティの新シーズンが始まりました。アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァでの2日間におよぶプライベート・テストでは、跳ね馬の特別なマシン約20台がオープニング・イベントを駆け抜けています。
XXプログラムには17台のマシンが参加。どれもサーキットを走るために専用開発された、究極のリミテッド・エディション・モデルです。参加者の熱意はすさまじく、参加マシンのラインナップは、このプログラムが16年の歴史の中で生み出してきたすべてのマシンにおよんでおり、FXX Evoが3台、599XX Evoが7台、FXX-K Evoが7台となっていました。全車の最高出力を合計すると、その値は15,000 cvに達します。
モンツァでは、このほかにも2台のシングル・シーターが注目を浴びました。キミ・ライコネンのF2008と、フェルナンド・アロンソが2013年に走らせたF138です。当時のレギュレーションに沿ったV8エンジン搭載のマシンであり、どちらもマルク・ジェネとオリビエ・ベレッタの意見が取り入れられています。この2人の元F1ドライバーがラップを重ね、そのデータをテレメトリー分析した結果が反映されているのです。
シーズンの開幕戦が終わると、その後に予定されているイベントは、マシンとほぼ同じような速さで次々にやってきます。フェラーリ・チャレンジ・ヨーロッパが4月10~11日にモンツァで開幕すると、その直後の4月12~13日には、舞台を同じくしてクラブ・コンペティツィオーニGTが開催されます。また、XXプログラムとF1クリエンティも今月の終わりにはオーストラリアのサーキットで再び開催される予定です。