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10 4月Magazine, Passion

速さのために生まれ、美しさのために生まれ変わる

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速さのために生まれ、美しさのために生まれ変わる

高性能技術の美しさを鑑賞することができるフェラーリの新しいコレクタブルズ・シリーズが、ミラノデザインウィークで注目を集めています

文:ジェーソン・バーロウ

コレクションは、マニアの一つの形態と言えるもの。クラシックなビニールレコードやビンテージのスニーカー、初版本など、コンプリーティストの衝動は、自身の常識的な考えを乗り越えてしまうことがあります。しかし、それらの虜になった人々にとって、それはまた非常に心満たされるものでもあるのです。


フェラーリのコレクターは最も情熱的なコレクターの部類の人々ですが、フェラーリに従事してきた人々の努力、並外れた技術、モータースポーツでの成功という歴史を考えてみれば、コレクターがコレクターたる理由もすぐにわかります。だから、フェラーリのものを手に入れたいという情熱的な人々が世界中にいるのも不思議ではありません。フェラーリの部品はすべて、それがフェラーリのレーシングカーであれ、エレガントなsports carであれ、大きさに関係なく車の物語において重要な役割を果たしているのです。今年のミラノデザインウィークの目玉であるフェラーリの新しいコレクタブルズ・シリーズは、そうした考えを、元々速さのために生まれた技術を美しさのために生まれ変わらせることで、見事な形で表現しています。




フェラーリの新しいコレクタブルズ・シリーズを動画でご覧ください




役目を終えたフェラーリのレーシングカーのさまざまな部品は以前から購入可能でしたが、当社のCentro Stileの専任チームは、展示のためにそれらの部品を見直しました。目的は、オブジェとしての質を最大限に引き出し、新たな命を吹き込むこと。この目的は、アルミニウムとアクリル樹脂を使用して作品を支えることで実現されています。


「透明な素材と構造要素を使用することで、オブジェに浮遊感や軽い印象を与える効果があります」こう説明するのは、フェラーリのデザイン担当役員であるフラビオ・マンツォーニです。「これにより、その形態の本質をよく見て考えることができるようになるのです。この方法は、余計なものを追加するのではなく減らすように考える、私たちの自動車設計の手法と一致しています。」


マンツォーニとそのチームは、他の偉大なカーデザイナーと同様に製品デザイナーや工業デザイナーの影響を受けており、そうした知識と折衷的考えをフェラーリの新モデルに生かしていることがよくあります。

しかし、フェラーリのコレクタブルズ・シリーズにおいては、日本人デザイナーの倉俣史朗氏の作品が特に大きな影響を与えています。同氏の「非物質化」という概念では、アイデアと物理的な物体を同等のものとして捉えています。




チャンピオンシップを勝ち取ったエンジンからピストンやクランクシャフトまで、フェラーリ・コレクタブルズはエンジニアリングの傑作の美しさを称えています




ミラノで展示されているオブジェには、Tipo 048Bエンジンがあります。これは、1999年のF1世界選手権でフェラーリが待望のコンストラクターズタイトル獲得のきっかけとなったF399に搭載されていたものです。また、画期的なLaFerrariのプロトタイプに使用された6.3リッターV12エンジン、ミハエル・シューマッハが同年にドライバーズタイトルを獲得したF2003-GAの部品であるカムシャフト、そして2009年のF1世界選手権でキミ・ライコネンが使用したF60のエキゾースト部品なども展示されています。


これらの品物を所有することは、フェラーリの精神の一部を手にすることであり、パフォーマンス、美しさ、完璧さへの飽くなき追求を常に思い起こさせるものとなるでしょう。




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