モータースポーツ・イメージズの新刊「Ferrari:From inside and Outside」は、スクーデリア・フェラーリとF1に対する愛がかたちになった1冊です。
パドックの最も伝説的な写真家であるエルコレ・コロンボとライナー・シュレゲルミルヒの2人(両者は1,300回以上のGPレースを撮影)によって1冊の本が完成しました。2人は異なる視点からフェラーリを経験し、独自のスタイルで跳ね馬を不滅のものにしています。
「この本を彼と一緒に制作できたのは、実に名誉なことでした」と語るのはシュレゲルミルヒです。彼はこれに続けて次のように話しています。「なぜなら、彼はF1を他のカテゴリーとは異なるものにできるよう、スタイル革新のプロセスを私と一緒に作り上げた人物だからです。私は1962年、彼はその8年後にキャリアをスタートさせましたが、私はこのスポーツがどのようなものであるかを、映像によるコミュニケーションという観点から両者とも上手く表現していると思っています。その秘訣は、 おそらく、どんな場合も主役とじかに接することだと思います」。
エルコレもこれに同意して次のように述べています。「ライナーとはお互いの写真を何度も見ました。この本にそれぞれの写真を掲載できるようになったことを嬉しく思っています」。
このアイデアが生まれたのは2021年のこと。「F1 Heroes」と題する展示会が開催された際です。この展示会では、同名の書籍に収録された、コロンボとシュレゲルミルヒの写真が披露されました。2021年のイタリアGPに合わせて開催されたその展覧会で、エルコレ(エンツォ・フェラーリと直接の信頼関係にあった人物)とライナー、そしてモータースポーツ・イメージズのパトロンであったマイク・ゾイが出会いました。そして彼らは、スクーデリア・フェラーリのF1活動における最大のハイライトをエルコレとライナーの2人が目撃してきたという事実を知ったのです。
また、この作品をより格調高いものにするため、スクーデリアのユニークなF1ストーリーをまとめることに関与した主要な方々の証言も掲載されています。本書には、ピエロ・フェラーリ、ルカ・ディ・モンテゼーモロ、マウロ・フォルギエリ、ジャン・トッド、ステファノ・ドメニカリといった多くのフェラーリ関係者からの寄稿が掲載されています。これらはF1解説者のジェームズ・アレンによって集められたものです。
本書の最初のページには、1977年にブランズ・ハッチで撮影した写真が載っています。王室の楽団が彼のために演奏しているかのように見える写真です。この本に載っている写真の中で彼がどれを最も好んでいるかについて、彼は次のように話しています。「何と言ってもヴィルヌーヴに関連する2枚です。エンツォがジルにキスしている写真と、カーナンバー27のフェラーリがブエノス・アイレスのサーキットで縁石上を斜めに走っている、1981年撮影の写真です」。
あのショットは実に特別なものです。おそらくウェブ上で最も多く出回っている写真でしょう。コロンボは、「そうなるのは当然です」とコメントしたうえで次のように付け加えています。「世の中には常に限界に挑戦し続け、その挑戦を美学や自身の振る舞いと関連づける並外れた人たちがいます。そうした人たちによって繰り広げられる究極のスポーツがF1です。あのショットはそのことをはっきりと示しているのですから不思議なことではありません。しかも、マシンはナンバー27のフェラーリで、ドライバーはジル・ヴィルヌーヴだったのです」。
その画像は、今回この本の中でフォト・ポスターとして現れています。
「Ferrari:From inside and Outside」は、跳ね馬の歴史に触れられるだけでなく、このカテゴリーのモータースポーツとその他のモータースポーツとの違いを理解させてくれる、まさに見逃せない1冊です。