新型Ferrari Romaとオーストラリアで2日間過ごせるとしたら、まず何をしますか?それはもちろん、長いドライブの旅でしょう…
もしあなたが私のように、幸運にも、見事な海岸線や世界有数の有名なビーチに恵まれ、近くにユネスコ世界遺産の国立公園があるシドニーのような美しい都市に住んでいたら、素晴らしいドライブの旅をするための要素はすべて揃っています。
美しい秋の朝、マラネッロの最新のグランド・ツアラーに乗り込みました。最初に向かう先がどこかは完璧に分かっています。オーストラリア人のゆったりしたライフスタイルの象徴として有名なボンダイ・ビーチは、地元の人が仕事の後にサーフィンや泳ぎに出かけたり、朝に活力を得るために海沿いの散歩を楽しんだりする場所です。
いい場所に駐車場を見つけたので、Romaを停めて、海辺のカフェに立ち寄りました。バーテンダーがエスプレッソを淹れてくれている間、私たちは、この地元ではほとんど誰も目にしたことのない最新の跳ね馬について話をしました。なんといっても私の車は、その中でオーストラリアの道路を最初に走った一台なのです。
Ferrari Romaが停まっているのは、有名なシドニー・ハーバー・ブリッジの下です。この橋は世界最長のスチール・アーチ橋のひとつで、シドニー・シティと郊外のノース・ショアを結んでいます
ビーチが混み始めたとき、私は急いで車に戻らなければならないと感じました。Romaのシートに腰を下ろし、電子調整機能を使用して完璧なドライビング・ポジションを探し、それからスタート・ボタンを押します。エンジンが轟音を響かせ、よりいっそう視線を集めます。満足そうな笑みを浮かべて、私はその場を走り去りました。
再び、私と最高出力620 CVを発揮する跳ね馬だけになりました。次に立ち寄ったのは、シドニー・ハーバーの入り口にある、オーストラリアで最初に建てられ最も長く使用されているマックォーリー灯台です。そこから、シドニーの東側の郊外にある、ほぼ200ヘクタールにわたる広大な面積を持つ公共公園であるセンテニアル・パークに向かいました。
少し散策した後に、私はRomaを、オーストラリアで最も有名なランドマークのひとつ、シドニー・ハーバー・ブリッジへと走らせました。1932年に完成したこの橋は、工学技術の結晶であると同時に、世界大恐慌からの同国の復興を告げる存在でした。地元では、その形状から「コートハンガー」との愛称で呼ばれ、シドニーで新年に催される壮大な花火大会の場面によく登場します。
ハークスベリー川での休憩、 地元の人気スポットのカフェ・ボンダイ、 1818年に完成した、オーストラリアで最初に建てられ最も長く稼働しているマックォーリー灯台、 シドニーの少し郊外で無限に押し寄せる波を楽しむサーファー
そろそろ、少し長いドライブでRomaをテストしてみる時間になりました。M4モーターウェイとグレート・ウェスタン・ハイウェイで西に向かい、ルーラを目指します。アクセル・ペダルを少し踏み、パワフルな8気筒エンジンのサウンドを愉しみながら、1時間足らずでユネスコ世界遺産のブルー・マウンテンズ国立公園に到着しました。この公園は、広大な自然の驚くべき美しさのほか、空を指す指のように上向きに突き出ている「スリー・シスターズ」と呼ばれる奇岩で特に有名です。
さらに30キロほど西へ進むと、ルーラに着きました。この街はまさに宝石のようで、歴史的な家屋が立ち並び、中心街はナショナル・トラストにより管理されている、間違いなくブルー・マウンテンズ・エリアで最も素敵な村です。Romaに乗って村の通りをゆっくり走ると、まるで自分が郷里に戻ってきた有名人であるかのような気分になりました。人々の熱い視線が私を、いえ、Ferrari Romaを追い、満足そうな微笑みやうっとりとした眼差しがこちらへ向けられました。フェラーリを運転しているときには、こうした状況がつきものです。
シドニー・シティで、Ferrari Romaが新型のシドニー・ライト・レイルと並んで走っています
Romaと過ごす貴重な時間がまだ少しあります。アクセル・ペダルを踏み、パワフルなツインターボV8エンジンを駆って、カトゥーンバにあるエコー・ポイント展望台へ行きました。そこにはパノラマのような風景が広がり、ジャミソン・バレーと、別の場所から見たスリー・シスターズの、息をのむような眺めを楽しむことができました。
モーターウェイを引き返す前に、ブルー・マウンテンズにある、ビルピン周辺のあまり人の通らない道路を走ってみました。数多くの曲がりくねった道やコーナーのあるビルピンの道は、世界最高レベルの道路に匹敵するもので、Romaの8速すべてをフルに活用するのに理想的です。
500キロ弱を走り抜けた後、フロント・ガラスに虫の跡をたくさんつけたRomaに乗って、私は満面の笑顔で自宅に到着しました。シドニーとその周辺での今回のドライブは、行き当たりばったりではあったものの、とても素晴らしい旅でした。おおらかなオーストラリア人の眼差しや微笑みに触れながら、最高のイタリアン・スタイルに親しむことができました。