Ferrari logo

情熱

「世界で唯一の、比類なき情熱」

フェラーリは、大きな一つのチームです。このページに掲載された写真がそれを示していると言えるでしょう。写真の中では、各部署の社員たちが工場の様々エリアでポーズをとっています
文:ダニエレ・ブレシャーニ
写真:マキ・ガリンベルティ

これまで幾度となく口にし、幾度となく耳にしてきたあの言葉、それは「フェラーリは一つ」です。

部署や部門、肩書きは関係ありません。私たちは皆、来年75周年を迎えるこの偉大な会社の一員なのです。


そこで、2021年度のイヤーブックを制作するにあたり、掲載する写真に少し趣向を凝らしました。社内で撮影場所をいくつか選び、いつもの職場とは違うセッティングで、社員たちにポーズを取ってもらいました。


塗装部門では一目でそれとわかる赤いつなぎ姿のエンジニア、エンジン組立部門では素晴らしいV8エンジンをバックにした営業スタッフ、製品開発センターの前で会議する弁護士たち、機械加工部門には普段はサーキットで働くスタッフ、といった具合です。

GESロジスティクスセンターで、左から右へ:ルカ・パスクワリーニ、フローリアン・ブレイス・アレッティ、ジュリア・ヴィチェンティーニ、ルカ・ぺドリーニ、ミグエル・アンゲル・ジョヴィンゴ、パウラ・ムダカ、エネス・タス

作業員であるか役員であるかだけでなく、性別も国籍も関係ありません。

みんな人間です。

フェラーリは、一つの大きなチームなのです。


このことは、9月に外部からCEOに就任したベネデット・ヴィーニャにとって、とりわけ重要なテーマです。今回の撮影にあたり、彼はフェラーリの心臓部とも言えるステーション19に自身の同僚たちと集まりました。8気筒エンジンの組立ラインです。ここは、エンジンがシャシーに搭載される場所であるため、「マリアージュ・ステーション」と呼ばれています。


「私はハイテク企業で26年間勤務したのち、マラネッロにやってきました」とヴィーニャは語ります。「これまでも、さまざまな職場で 『情熱』という言葉を何度も耳にしてきました」

組立てラインの入り口で; V12組立てラインのルーフテラス; 塗装部門;GESロジスティクスセンターの外; 機械加工部門

「確かに、たゆまぬ情熱と信念を持って取り組んでいる職場は数多くあるのも事実です。しかし、フェラーリで働く人々の熱意は、世界でも唯一無二と考えています」


「ここに来て、最初に受けた衝撃はその点でした。心からの深い情熱が、あらゆる面で結びついています。誰もが純粋にブランドを愛し、特別な帰属意識を持っているのです。だからこそ、私たちは常に革新と完璧を追求し、成功を収めることができるのです。


好ましい意欲があれば、好奇心や注意力が高まり、誰もが卓越性を突き詰めていけるようになります」


すべてのエンジン組立部門、左から右へ:ヴェロニカ・ヴェルーゾ、ダヴィデ・トッレ、ヴィルジニア・エルコラネーゼ、フランチェスコ・スピーナ、ステファニア・ヴァレリア・リナルディ、ロベルト・スキアヴェッロ

エンツォ・フェラーリ自身、この会社は建物や機械でなく、人が最も重要な存在であるということを好んで強調していました。こうした考え方は、フェラーリの伝統として今も確実に受け継がれています。クリスマスには、「ナターレ・ビンビ(子供のためのクリスマス)」として社員の家族を迎え入れます。健康にも力を入れ「フォーミュラ・ベネッセレ」として、Med-Exと提携して年次健康診断の実施し、サステナビリティへの注力、さらに賃金格差がないか毎年見直してきました。さらに、「Scuola dei Mestieri」(技術学校)やボローニャ大学ビジネススクールでのエグゼクティブMBAの実施など、従業員の継続的な能力開発への投資も忘れてはいません。


このような取り組みが、フェラーリを単なるチーム以上の存在にしているのです。


そしてヴィーニャは次のように続けています。「家族という概念は安易に使われがちですが、フェラーリにおいては、家族という言葉を用いることが決して大げさなことではないのです。しかも、家族の一員とされるのは、社内の従業員だけにとどまりません。


今年の9月にタオルミーナで開催された、10周年を迎えるカヴァルケードで、

私はその証拠を目の当たりにしたのです。オーナーの皆さんも、フェラーリという大きな家族の一員であるという感情を共有していましたから」


「私たちは、個々の能力の域を超えた、巨大なネットワークの一員であることを忘れてはいけません。社内の従業員のみならず、私たちを愛し、支えてくれる世界中の人々、お客様、ティフォシ、そして多様な跳ね馬エンスージアストたちがそのネットワークを構成しているのです。この世界の広がりを止めてはいけません」

11 gennaio, 2022