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25 2月 2021Races

ターボの40年:126 CK

25 2月 2021

ベン・プルマン

40年前の今月、フェラーリ初のターボ・エンジンを搭載したF1マシンがレースでのデビューを飾りました。フェラーリのレーシング・マシンのみならずロード・カーをも変える革命が始まった瞬間です。


フェラーリは、F1マシンにターボ・エンジンを採用した初めての自動車メーカーではありません。なぜなら、スクーデリアは、レースで勝利を収めた実績のある自然吸気エンジンを最大限に活用したいと考えていたためです。1970年代後半、チームは、パワフルな水平対向12気筒エンジンを搭載したTシリーズのマシンで3つのドライバーズ・タイトルと4つのコンストラクターズ・タイトルを獲得しました。

しかし、ターボ・エンジンの採用が遅れた理由はそれだけではありません。スクーデリアが、従来のターボ・チャージャーと新しいタイプのコンプレッサーであった「コンプレックス」スーパーチャージャーという、タイプの異なる2つの過給方式を実験している最中であったことも理由の一つです。競争上の優位性を追求していたフェラーリ・チームは、それぞれの技術を組み込んだ車両を製造する中、12気筒エンジンよりも短くてスリムな、1.5リッターの新型120度V6エンジンを全車に搭載しました。

126 CKはV6エンジンの上部に2基のターボ・チャージャーを搭載していたため、エンジン上部にはターボ・チャージャー駆動用の排気を車外へと導くエキゾースト・パイプが備わっていました。エンジン外部のインレット・ダクトにインタークーラーを設けていた点も特徴です。先鋭さを研ぎ澄ませた126 CXは、V6エンジンの動力をベルトで過給機に伝達させてそれを作動させるという仕組みを採用したもので、回転するドラムを理論通りに配置することでスロットル・レスポンスを向上させていました。

1980年から81年の冬の時期にこの2つの技術を採用したそれぞれの車両に対して徹底的なテストを行い、シーズン初のレースに向けて米国カリフォルニアに送り出されました。しかし、コンプレックス・ローターのベルト駆動については、プラクティスの時点で加速要件が非常に厳しく、ロング・ビーチ・サーキット特有の凹凸の激しい路面に持ちこたえられないことが判明しました。

それはつまり、ターボ・エンジン搭載の126 CK、そして126 CXも、その開幕戦でスタートの旗を見ることは叶わないということでした。ジル・ヴィルヌーヴとディディエ・ピローニは、二人とも、このターボ・エンジンを搭載したスカーレットの車両での米国でのデビュー戦では最終的にリタイアしましたが、ヴィルヌーヴが5位で予選を通過したことはかすかな希望となりました。

かくして、この希望はシーズン6戦目にあたるモナコ・グランプリで実を結びます。ヴィルヌーヴはその前のベルギー・グランプリでは惜しくも表彰台を逃したものの、フェラーリがさらに2シーズンの契約続行を発表したことで持ち直しました。これに鼓舞されたかのように、わずか1000分の78秒の僅差でポール・ポジションこそ逃したものの、予選の結果、フロント・ローでのスタートとなりました。

ヴィルヌーヴはこのレースでの2位獲得を皮切りに最速ラップを連発し、特にトンネル内でマシンの途方もないパワーを遺憾なく発揮しました。そして世界チャンピオンであったアラン・ジョーンズを抑え、最初と最後の直線コースで抜き、最終的には約40秒差でチェッカー・フラッグを受けます。

この勝利はターボ・エンジンを搭載したフェラーリのF1マシンにとって初めての勝利で、モナコ・グランプリで勝利を上げた初めてのターボ・エンジンともなりました。ターボ・エンジン搭載の126 CKは、狭く曲がりくねったストリート・サーキットには適さないと考えられていましたが、実際はスタート直後からすばらしいパフォーマンスを示したのです。

ヴィルヌーヴは、その3週間後にはスペイン・グランプリの表彰台に帰って来ます。ショックアブ・ソーバーの調整に問題があったために7位でスタートしますが、1周目の終盤には3位に上がりました。そして2周目で再び、前にはアラン・ジョーンズのみという状態まで持ち込みますが、好敵手でもあったジョーンズは14周目でグラベルにはまり、ピットでのタイヤ交換を余儀なくされてさらにタイムを落としました。

ヴィルヌーヴは、レースをリードしつつ66周を残した時点で巧みな運転技術を見せつけました。並外れてパワフルなターボ・エンジンを操り、ストレートではその利点を最大限に活かし、サーキットの低速部分ではタイヤを温存するといった具合に。

戦略上、ペースを落として小競り合いを起こして2位に甘んじることはあっても、その運転に非の打ちどころはありませんでした。80周目の終盤でヴィルヌーヴはついにトップに立ち優勝しましたが、後続の4台との差わずか1.24秒と、F1史上最も僅差のフィニッシュの一つとなりました。

ヴィルヌーヴとフェラーリにとって1981年のシーズンでの2連勝となり、スクーデリアはそれ以降のシーズンでさらに力をつけてゆきます。ターボ・エンジンのパワーを武器に、チームは1982年、1983年とコンストラクターズ・タイトルを獲得しました。

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