フロントミッドシップエンジンレイアウトを採用した 2+ クーペの Ferrari Roma は、洗練されたプロポーションと時代を超越したデザインに加え、比類のないパフォーマンスとハンドリングも特徴です。独自のパフォーマンスとスタイルを身に着けたこの車は、1950~60年代のローマを特徴付けるような、気ままで楽しい当時の生活スタイルを表現しています。
表示してある燃料消費量およびCO2排出量の値は、型式認証を受ける時点で適用されていた欧州規則(EC) 715/2007に基づいて算出されたものです。料消費量およびCO2排出量の値は、WLTPサイクルでテストした場合のものです。
乗用車を市場で販売するためには、規制適合を検証するための一連の試験を受ける必要があります。
燃費、CO2および公害物質排出が評価されるこの試験は、ラボで特定のドライビング・サイクルに基づいて実施されます。こうすることで、試験は再現可能となり、結果が比較可能になります。これは、消費者が異なる自動車のモデルを比較できるのは、標準化された再現可能な手順に基づいて実施されるラボでの試験のみであるため、重要です。
2017年9月1日に新たな国際調和排ガス・燃費試験(WLTP)が施行され、新欧州ドライビング・サイクル(NEDC)から段階的に移行されます。
NEDC(新欧州ドライビング・サイクル):NEDCは、乗用車および小型商用車の燃費およびCO2排出量を測定するために現在まで使用されてきた欧州ドライビング・サイクルです。最初の欧州ドライビング・サイクルは1970年に導入され、市街地走行と呼ばれました。1992年には、郊外モードが採用され、1997年以降燃費およびCO2排出量の測定に使用されるようになりました。ただし、このサイクルの構成は、現在の異なるタイプの道路でのドライビング・スタイルおよび走行距離と一致しなくなっています。NEDCの平均速度はわずか34 km/hで、加速も緩慢で、最高速度はわずか120 km/hです。
WLTP:WLTPは、新たな国際調和排ガス・燃費試験サイクル(WLTC)を使用して、乗用車および小型商用車の燃費、CO2および公害物質排出量を測定します。この新規制は、消費者に自動車の日常使用状況をより正確に反映した、より現実的なデータを提供することを狙いとしています。
この新たなWLTPは、より鋭い加速を伴う、よりダイナミックなドライビング・プロファイルが特徴です。最高速度は120 km/hから131.3 km/hに引き上げられ、平均速度は46.5 km/hとなり、合計サイクル時間は30分となっています(NEDCは20分)。走行距離は、11 kmから23.25 kmに倍増しています。WLTP試験は、最高速度に応じて、 低速(最高速度56.5 km/h)、中速(最高速度76.6 km/h)、高速(最高速度97.4 km/h)、最高速(最高速度131.3 km/h)の4つの区分で構成されます。これらの区分で、市街地、都市周辺、郊外の道路、および高速道路の各モードをシミュレーションします。この方法は、1台の車両の特性を反映しCO2排出量に影響するエアロダイナミクス、転がり抵抗および車両の質量に影響を与えるすべての車両オプションも対象となります。
WLTPは、段階的にNEDCを置き換えていきます。WLTPは、2017年9月1日以降、新型乗用車モデルに適用され、2018年9月1日以降に登録されるすべての新型乗用車に適用され、すべての欧州連合加盟国で義務付けられます。
2020年末までは、車両の書類にはWLTPおよびNEDC両方の燃費およびCO2排出量の数値が記載されます。実際に、2020年末まで、EUで登録される自動車の平均CO2排出量を評価するために、NEDCの値が使用されます。また、国によっては財政上の目的のために、継続してNEDCのデータを使用します。しかし、2021年以降、すべての自動車の燃費 / CO2排出量の数値として使用されるのは、WLTPのデータのみとなります。中古車はこの移行には影響されず、認証を受けたNEDC値を使用します。
乗用車の走行燃費と排出ガス
この新たなWLTP試験は、NEDC試験よりも現在の走行状態に近くなっていますが、ドライバー個人のドライビング・スタイルの影響など、すべてのケースを考慮することは不可能です。
よって、ラボで測定した燃費とCO2排出量の値と、実際に車両を使用した場合の値に差があります。この差は、オンボード・システム(エアコンなど)の使用、交通状況、地域固有の気候条件、およびドライバー個人などの条件によって異なります。
この理由から、車両および異なるモデルを公平に比較できる数値を得られるのは、標準化されたラボでの試験のみです。
お客様にとって変わること
この新たなWLTPは、より現実的なドライビング行動を反映し、個別のモデルおよびバージョンとオプション装備を含む個々の技術的特性を考慮するため、異なる車両モデルの燃費とCO2排出量を比較するためのより現実的な基準を提供します。
フェラーリ・スタイリング・センターが Ferrari Roma のエクステリアに対して取った中心的なアプローチは、クリーンなデザインに仕上げること、さらには、調和の取れたプロポーションとピュアでエレガントなボリューム感をさまざまなエレメントの間で確実に共生させることでした。フォーマルなミニマリズムを強調するため、余分なディテールはすべて取り除かれています。
Ferrari Romaのデザインは、スポーティなエレガンスというコンセプトからインスピレーションを受けています。1960年代の最も伝説的なフェラーリGTモデルに見られたコンセプトです。フロントにエンジンをレイアウトした当時のモデルは、シンプルでエレガントなフォルムと、2+ファストバック・クーペのデザインが特徴でした。Ferrari Romaは、こうした数々の特徴を共有した1台であり、きわめてモダンなデザイン言語を具現化させたものです。洗練されたピュアなスタイリングと完璧なプロポーションは、フェラーリならではのパワーとスポーツ性を見事に包み隠しています。
落ち着き感じさせるシャープなフロント・マスクは、一つの金属ブロックから削り出したようなデザインであり、前方に突き出たサメの鼻先を連想させます。ワイドな形状にデザインされたボンネットと、しなやかなラインを描くフロント・フェンダーは、それぞれが完璧な調和を見せているだけでなく、フェラーリの伝統的なスタイリングを生み出している各部との相性も抜群です。デザイナー陣は、シンプルさを追求した結果としてのエレガンスをこの車のフォルムに求めました。各種のエアベントや必要以上の装飾を排除したのはそのためです。例えば、エンジンの冷却に関しては、それを確実に行えるよう、ボディの必要な部分のみに通気孔が設けてあります。これは、グリルのコンセプトを新たに解釈した結果です。フルLED方式の直線的なヘッドランプは、この車のフロントに個性を与えているエレメントであり、ランプの中央を横切る水平のストリップが張り詰めた雰囲気を演出しています。フェラーリのアイコニックなモデルであるMonza SPを連想させます。
湾曲した小さなリヤウインドウには、アクティブ制御のエアロダイナミック装置が組み込まれています。これは車両の純粋なフォルムを守るという、Ferrari Romaのデザイン全体に通じる中心テーマに基づくものです。また、車両のリヤは、現代的なテール・デザインが印象的です。技術の進展によってテールランプのアセンブリをよりコンパクトにすることができたため、シンプルをきわめたアイコニックなフォルムに仕上がっています。Ferrari Romaの場合、そのツイン・テールランプは、宝石が埋め込まれているかのような印象です。直線的なランプ・ストリップはノルダーとの調和により、一種のバーチャルなラインを創出しています。フェンスやエキゾーストを組み込んだコンパクトなエアロダイナミック・ディフューザーが、車両のリヤを際立たせます。
インテリアを設計するにあたっては、まったく新しい HMI をデザインすることを優先しました。この結果、大きな進展が実現しています。新たなステアリングホイールを設計する際、車両の制御に関する主なスイッチ類に「視線は路面、両手はステアリング」のコンセプトを採用したため、ドライバーはステアリングホイールから手を離す必要がなくなりました。
また、8.4 インチの縦型スクリーンを設けたセンターディスプレイは、感覚的な操作を可能にしているだけでなく、使いやすさも抜群です。
助手席用の新しいディスプレイは、感覚的な操作を可能にしているだけでなく、使いやすさも抜群です。
Ferrari Ferrari Roma は、最高出力 620 cv / 7,500 rpm を発生させる V8 ターボエンジンを搭載していることから、セグメントをリードする最もパワフルな 1 台となっています。このエンジンは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを 4 年連続で受賞した V8 エンジンのファミリーに属するもので、バリアブルブーストマネジメントを備えているためスロットルのレスポンスは抜群です。また、ガソリン用のパティキュレートフィルターを採用するなどして、エキゾーストサウンドに対しても細心の注意を行き届かせています。サイレンサーを取り除くとともに新しいバイパスバルブを設けているため、エキゾーストシステムは一新されています。
また、SF90 Stradale に導入された 8 速デユアルクラッチギアボックスを搭載していることから、燃料消費量とエミッション排出量の低減や、クイックかつスムーズなシフトチェンジを実現させるとともに、公道走行時におけるレスポンスをいちだんと進化させています。街中やストップ&スタートの多い走行条件下での快適性も特に際立っています。
Ferrari Roma は独自の V8 ターボエンジンを搭載していることから、このカテゴリーにおいて他を寄せ付けることのない、優れたパフォーマンスを獲得しています。搭載されているこの V8 エンジンは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを 4 年連続で獲得しているパワーユニットです。この仕様の場合、エンジンは 620 cv / 7,500 rpm の最高出力を生み出すとともに、SF90 Stradale にも採用された、新しい 8 速 DCT をトランスミッションとして組み合わせています。
クラス最高のパフォーマンスを約束するとともに、この車が独自の伝統的なスタイリングを継承できるよう、フェラーリのエンジニアたちは数種類にわたって最先端の技術を開発しました。最も注目すべきは、リヤウインドウに組み込まれた可動式のリヤスポイラーであり、格納時においてエレガントでピュアな車のデザインを損ねないようデザインされています。高速走行時には自動で展開し、Ferrari Roma の圧倒的なパフォーマンスに不可欠となるダウンフォースを確保します。
フロントの荷重を大きくしている主な要因は、ボルテックスジェネレーターを設けていることです。このボルテックスジェネレーターは、空気の渦流を集中的かつ安定的に発生させることで地面効果を生み出します。フロントホイールの後流を管理して荷重を効率的に生み出すことも役割の一つです。
Ferrari Romaのシャシーは、フェラーリが次世代のニューモデル用に開発したモジュール技術によって、各種のメリットを享受しています。ボディシェルとシャシーは、最新の軽量化技術と先進の生産技術を取り入れるために再設計されました。実際、全コンポーネント内の70%は、まったく新たに開発されたものです。ミッドフロント・エンジン・レイアウトの2+クーペであるこのFerrari Romaは、セグメントの中で最も優れたパワー・ウエイト・レシオ(2.37 kg/cv)を実現させ、ハンドリングのダイナミクスと応答性を向上させています。