フェラーリのエンブレムを戴いた最初のモデルが125S。V12エンジンはジュゼッペ・ブッソとルイジ・バッツィの助力を得て、ジョアッキーノ・コロンボが設計しました。125 Sにはスポルトとコルサバージョンがあり、ボディワークが異なりますが、シャシーとランニングギアは基本的に同一です。125 Sのデビューの場は、ピアツェンツァ・サーキット。エンツォ・フェラーリ自身の言葉を借りるなら、そのときの125 Sは「将来有望な失敗作」でした。このレースでドライバーのフランコ・コルテーゼは一時トップを走りますが、燃料ポンプの故障でリタイアを余儀なくされたのです。しかしその後、4か月の間に125 Sは13のレースに出場し、うち6レースで勝利を収めることになりました。